末梢性?中枢性?

脳から直接出ている神経を脳神経といいますが、その中の7番目が顔面神経で、顔の筋肉(表情筋)を動かす運動神経です。

顔面神経は耳がついている頭の骨(側頭骨)の中と耳下腺(耳の下にある唾液腺)の中を通ります。そのため、側頭骨の中にある内耳・中耳や耳下腺の病気が原因となって神経の麻痺、すなわち顔面神経麻痺が起こることがしばしば認められます(これを
末梢性顔面神経麻痺といいます)。

従って、内耳・中耳や耳下腺の病気の有無など、末梢性顔面神経麻痺の原因の精査・診断のためには、
耳鼻咽喉科を一度受診されることをお勧めします。

一方、脳梗塞など脳の病気に伴って生じる中枢性の顔面神経麻痺の場合は、額の動き(眉毛の動き)は左右対称で、口周囲の麻痺だけ目立つことが多く、また顔 面神経麻痺以外の症状(例えば、手足の麻痺など)を伴うことがほとんどです。中枢性の顔面神経麻痺の場合は神経内科・脳神経外科での診断・治療を受けるこ とをお勧めします。