FAQ

Q11:4 日前から右の側頭部に頭痛が出現し、2日前から右の顔面の麻痺が出現しました。 脳外科で診察を受けましたがMRIを撮り脳には異常がないと言われました。現在ステロイド剤を投与されています。しかし、頭痛は改善しておりません。脳の 異常ではないのでしょうか?心配です。

A:末梢性顔面神経麻痺に頭痛を伴う患者さんがしばしばいらっしゃいます。水痘帯状疱疹ウイルスが原因のHunt症候群の方で多いようです。2週間程度で次第に改善することがほとんどです。

Q12:歯科にて抜歯をした5日後に、治療をしたのと同じ側の顔面麻痺が起こりました。医療ミスではないでしょうか?

A: 歯科治療後2-3日以上たってから末梢性顔面神経麻痺が生じることがあります。私どもの研究でこのような患者さんを調べたところ、多くの方でヘ ルペスウイルスの再活性化が認められました。つまり、歯を抜いたことにより感覚神経(三叉神経)が刺激され、体に潜んでいたウイルスが再び暴れ出し、運動 神経である顔面神経にも広がり麻痺を起こすのです。つまり、抜歯によるミスではなく、体の反応によりたまたま起こってしまったと考えられます。

Q13:2歳の女の子ですが、生まれつき右顔面の麻痺があり、眼を閉じることができません。近くの病院ではお産の時の障害で麻痺になった可能性があり、様子をみるしかないと言われました。何か良い方法はないでしょうか?

A: 生まれつきの麻痺か、生まれた後に麻痺になったのかを鑑別し、原因を調べることが大切です。病的共同運動の有無を調べることで鑑別できます。ま た、お産に伴う麻痺は少ないと報告されています。生まれつきの麻痺であれば、側頭骨内の顔面神経の発育障害などをCT検査で調べることをお勧めします。総 合病院の耳鼻咽喉科(大学病院クラス)を一度受診されるのが良いでしょう。もしも、生まれつきの麻痺であれば、自然経過で回復する可能性は少ないので、大 きくなってから形成外科手術などを考慮することもあります。


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