麻痺の検査

まず、顔面神経が脳から出て、耳がついている頭の骨(側頭骨)の中を通り、耳下腺を貫き顔面の筋肉に分布するまでのどこに障害があるかを調べます。

 耳・鼓膜・口の中を調べて中耳炎や帯状疱疹の有無を調べます。また耳下腺の触診やエコー検査で耳下腺腫瘍の有無を調べます。さらに、聴力検査、耳小骨筋 反射、前庭機能検査(めまいの検査)、涙液分泌検査、味覚検査、レントゲン検査、脳神経検査などを行います。場合によっては、MR画像検査を行いますが、末梢性顔面神経麻痺の場合は必ずしも必要ではありません。。

 原因を調べるため、血液検査によりウイルス感染を調べます。一度の検査では判定できず、2-3週間後に改めて検査するとウイルスの感染が判明することがあります。

 また、顔の動きを観察して麻痺の程度を調べます。受診のたびに調べて点数化し、麻痺改善の経過をみます。

 重症の麻痺の場合、電気刺激検査、筋電図検査により神経の障害の程度やどのくらいで改善するのかを推定します(いつごろなおるのでしょう?の項も参照してください)。ただし、麻痺を発症してから1-2週間後に検査しないと、神経障害の程度を正確に判定することはできません。